トイレなどで「くさい」と感じる場合、当然ながら人によってその臭さの程度は異なります。そのため、一定の数値基準を設け、その臭いがどれだけ改善したか数値化することにより、臭いがなくなった(臭さが和らいだ)と判別することを示せる指標が必要です。そこで「臭気指数」といった指標が用いられることがあります。
臭気指数(しゅうきしすう)とは、空気中の臭気の強さを定量的に表した数値で、日本における悪臭公害の測定に広く用いられています。この臭気指数は、悪臭防止法に基づき、さまざまな産業施設や生活環境の臭気レベルを管理・規制するために導入された概念として知られているものです。この臭気指数は、空気中のにおい物質を臭気測定の専門家が嗅覚で判定し、一定の希釈倍率を基準にして数値化します。
具体的には、臭気が検出されなくなるまでの空気の希釈倍率を元に計算され、その対数値が臭気指数となります。たとえば、1,000倍に希釈して初めてにおいが感じられなくなる場合、臭気指数は3(log₁₀ 1000 = 3)となります。この計測には、一般的に嗅覚測定法、いわゆる「三点比較式臭袋法」が使われ、熟練したパネル(測定員)によって感覚的に評価されます。
日本では、この数値に基づき、地域ごとの環境基準が設定され、⼯場や事業所から発生する悪臭の抑制が求められていますが、臭気指数が高いほど強いにおいが感知されることを示し、環境や生活の質に影響を及ぼす可能性があるため、規制対象となるケースが多いです。規制対象となるのは特定の悪臭物質で、これらの濃度や拡散を抑えるために換気設備や脱臭装置の設置が推奨される場合もあります。なお、特定悪臭物質は以下の22種類が指定されています。
アンモニア、メチルメルカプタン、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、トリメチルアミン、アセトアルデヒド、スチレン、プロピオン酸、ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸、プロピオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ノルマルバレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、イソブタノール、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン
具体的な発生源として、パルプ製造⼯場や畜産事業場、化製場、し尿処理場などがあります。これらの場所で臭いにお悩みの方がいらっしゃいましたら、ホテイ産業研究所へお気軽にご相談ください